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理事長メッセージ

理事長 喜納憲利

大学の最大のミッションは、優秀な人材を社会に送り出すことだと考えます。優秀な人材とは、教員、管理栄養士、社会福祉士などの資格取得、また歴史や文化など、さまざまな分野における研究によるスキルの向上は勿論のこと、人を愛し、地域を愛し、平和を希求する健全な精神を持った人だと思います。
戦後間もない頃、経済も人の心も荒廃している中、沖縄の復興には高等教育による人材育成は必須の条件だとの思いで嘉数昇先生は1958年、沖縄大学(当初は短期大学)を設立しました。
1972年の本土復帰に伴い、政府は、本土の基準を満たしてないことを理由に、沖縄大学と国際大学の統合を押し進めてきました。まさに存続の危機に立たされたのです。それに対して存続を希求する多くの県民の声に押されて、文部省への要請活動、署名活動、県民総決起大会などさまざまな運動が展開されました。その結果悲願の存続を勝ち取ったのです。
その後も本学は、時代のニーズに応えるため高等教育機関として改革を進めてきました。1999年に人文学部を開設し、国際コミュニケーション学科、福祉文化学科を設置しました。国際コミュニケーション学科は、語学力と異文化理解力を養い、地域と世界をつなぐグローバル人財の育成を目指します。福祉文化学科では、福祉事業に関連する国家資格取得を推進し、福祉に貢献できる人材を社会に送り出してきました。2007年には、こども文化学科を設置し、小学校教員の育成に努め、今では毎年多くの教員採用試験合格者を出し、教育現場に送り続ける成果を上げています。
2019年4月には、健康栄養学部 管理栄養学科を設立しました。これまで沖縄県内では、管理栄養士養成のための就学はできなかったのですが、それが可能になったわけで、画期的な事です。
このように沖縄大学は、常に社会のニーズに応え学生の夢実現のためのステージを提供し続けてきました。一方、課題もあります。18歳人口の減少に伴う入学者の減少。それは大学の財務に直結する問題です。また、学生のための駐車場等施設?設備の充実、大学の公立化の検討等どれも重要な課題であり、計画的に取り組んでまいります。
一方で私たちは、国際情勢にも目を向ける必要があります。米国における大学への不当な介入は、学問の自由、民主主義に対する極めて危険な挑戦です。またロシアによるウクライナへの侵攻、イスラエルとイランの軍事衝突、ガザ地区における紛争等非人道的な戦争が各地で繰り広げられています。私たちは、教育機関に関わる者として、人として、この問題に背を向けてはなりません。
沖縄大学は、これからも「地域共創?未来共創の大学へ」の理念の下に学生、教職員一丸となって平和を希求し、夢実現のため努力を続けてまいります。